2005年5月14日土曜日

「痩せれば何でも出来るのか? 痩せなければ何も出来ないのか?」

今回は、お弁当を離れて、ダイエット一般の話です。
以下は、その昔、ダイエット関係の掲示板で、
「希望の大学に無事合格したので、
彼氏を作るために、1ヶ月6kgのダイエットをしたい」
というカキコに対して、
私が書いたカキコです。

>○○さん
かつて、大学1年の時に70kgから52kgにダイエットした経験者として、
いろいろ書かせて頂きます。
お耳に痛いこともあるかと思いますが、
お気にさわったらごめんなさいね。

まず、今現在の○○さんの身長体重が分からないのですが、
現在すでに標準体重プラスマイナス10%の範囲にあるのであれば、
1ヶ月で6kgというダイエット目標は達成困難です。
健康的に痩せられるダイエットは1ヶ月1-2kg減というのが、
常識的なダイエット本に書かれている標準です。
1ヶ月で6kgのダイエットとなると、
7000Kcal×6=48000Kcalのダイエットであり、
これを日割りにすれば、一日1400Kcalの制限ということになります。
これは、軽い労作を行う人の標準的な一日の摂取カロリーとほぼ等しくなってしまいます。
これを食事だけでまかなおうとするならば、
「絶食」しかなくなりますね。
とても健康的に痩せることは不可能です。
では、運動を行うとすると…。
ジョギング10分で約100Kcalとして、140分。
一日2時間以上走ることに…。
半分食事、半分運動としても、
一日700Kcal程度の食事で、そんなハードな運動が、
果たして出来るのでしょうか…?
「だって、雑誌には、広告が出てるじゃないですかあ」
と、誰もが思うと思います。
昔の私も思いました。
実は、これには、常識的範囲内で考えられるトリックがあります。
まず、すごく太っている場合、ホルモンのバランスも崩れていて、
体内に水分を貯めやすくなっている事があるそうです。
私も、かつて、ダイエットを開始したとき、
初めの1週間で2kg減りました。
これは、1kgは、腸内の糞便だと思いますが、
残り1kgは、おそらく、利尿がついて、体内の水分を排泄したからだと思います。
という訳ですから、1-2kgの増減は、
体の中の便の量や、水分の量によって、いくらでも変わります。
女性の場合、生理前は太るというのは、
生理前は水分を貯めやすい体になっているからで、
本当に脂肪が増えて、「太って」いる訳ではない、と、
常識的なダイエット本で読みました。
そういう訳ですから、1ヶ月に6kg減ったと書いてあったとしても、
本当の減量は4kg程度だと思います。
これなら、かなり頑張れば、達成可能な範囲に入ってくるでしょう。
「1週間で3kg減!」というような広告文句も、
まず、2kgは差し引いて読む必要があります。
はじめに、標準体重近くなら、不可能だ、と書いたのは、このためで、
初めの2kgの利尿効果(と排便効果?)を望めないからです。

ダイエットに厳密なカロリー計算を行うことは、全く必要有りませんが、
おおよそを知る、というのは、そういうことです。
絶対あり得ないような、不可能な目標を、
雑誌には載っていたから、誰もが出来る、とは思わないことです。

それから、これから先は、おばさんの苦言なので、
聞き流して頂いて、全くかまいません。
私も、若い頃、こんな説を聞きましたが、
実感として感じられるようになったのは、最近の事です。
しかし、やはり言っておきたい。

「痩せれば何でも出来るのか? 痩せなければ何も出来ないのか?」

ダイエッターは、常にこの命題と向き合っています。
痩せたらしよう、と思っていることは、本当に痩せなければ出来ないのでしょうか?
私がとっても太っていた頃(今も太っていますが…)、
確かに彼氏は居ませんでしたが、
標準体重になって、「スタイル良いね」と言われた頃でも、
彼氏は出来ませんでした。
それは、私がそういう努力をしなかったからです。
痩せた事に甘んじて努力しなかったのではなくて、
彼氏を見つけることに価値観を見いだせなかったからです。
(負け犬の遠吠えではなく、ホントにホントなのです。)
逆に、昔の私並、あるいはそれ以上に太っている人でも、
彼氏は居ました。
それは、彼女が、努めてそういう努力をしていたからです。
可愛い着こなしをし、
髪の手入れをし、
気の利いた事を話し、
もちろん、そのためには、社会常識を深め読書をし、
手料理を振る舞う機会は逃さない。
これらは、殆ど、太っていても可能なのです。
もちろん、安くて可愛い服は、標準体型で無ければ入手困難でしょうが、
自分で努力して可愛く着こなす、
自分の魅力を生かす、
ということは可能なのです。

ダイエットに縛られた生活をして、
一日中食事のことと運動のことを考えて、
仮に理想の体重になって、彼氏をゲットしたとき、
いったい何を話しますか?
ダイエットの話ですか?

ダイエットは、体を磨くとともに、
心を磨くことだと思います。
せっかく希望の大学に入られらのですから、
体だけでなく、自分を磨いて下さい。
その上で、同性に嫌われない程度のアプローチを繰り返していれば、
あなたの「みかけ」ではなく、「中身」に気付いてくれる人が
きっと現れる。
見てくれで選ぶ人よりも、よっぽど誠実だと思いませんか?
その「彼」のために、綺麗になろう、美しくなろう、
という動機であれば、素晴らしいですよね!
もちろん、無理は禁物ですが。

「痩せなければ何もできない」
と思いこんでいると、もう一つの陥穽に陥ります。
彼氏云々より、本当は、こちらが恐ろしい。
それは、一度、ダイエットに成功した暁に訪れます。
「痩せていない自分には価値がない」
という、とんでもない思いこみです。
この思いこみがあると、
リバウンドで太ってしまったとき、
何もやる気がしなくなる。
何も出来なくなる。
これが、本当に恐ろしいダイエットの落とし穴、なのです。
太ってたって、おしゃれは出来る。
内面を磨くことは出来る。
ダイエットに成功している時から、意識改革をしていないと、
突然のリバウンドにあったとき、
(それが、本当に脂肪が増えたのであっても、
見かけだけで体内の水分や排泄物の貯留であっても、)
パニックになってしまう原因となるのです。
このパニックは、ひいては、過食や拒食への引き金となります。

「痩せれば何でも出来るのか? 痩せなければ何も出来ないのか?」
心の片隅でいいですから、常に意識して下さい。


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2 件のコメント:

  1. ミリエさん、さすがです!
    この調子で、どしどし発信してください!
    「何が大事か」が大事ですね。
    心がギスギスするようなダイエットはいけません。
    心に余裕ができるようなダイエットを心がけます♪

    返信削除
  2. ぼうず先生、コメントありがとうございます。
    このカキコは、当時の掲示板仲間の方々に、
    かなりインパクトがあったそうです。
    掲示板は、そのときの仲間うちの記憶にしか残りませんが、
    こうしてブログにしておけば、
    興味を持った人が、興味を持ったときに、見ることが出来る、
    という利点があるので、
    再掲することにしました。

    返信削除